皆さんは動画編集をする際、良い動画とそうでない動画の違いというのはどこで生まれるかご存知でしょうか。
動画の画質や、テロップなどの演出、良いBGMや効果音の挿入、そのタイミング……。
どれも良い動画を作る上で必須となる動画編集作業ですが、その中でも忘れがちなのが、音量編集。
「そんな音量くらいで……」
と思う方もいるかもしれませんが、折角の良いBGMも面白い内容の動画も動画編集をする時、音量の編成方法を間違うと視聴者に動画を見てもらえなくなったり、興味を持ってくれた視聴者が途中で見るのをやめてしまいます。
想像してみてください。
普段youtubeなどで動画を見ている時、動画内で突然BGMが大きくなって、話している人の声が聞き取れなくなったら……。
絶対に途中で見るのをやめてしまいますよね。
良い動画を作るための動画編集には、音量調整はなくてはならない重要な要素です。

今回は動画編集で音量の編成をする方法とその調整の仕方について、ご紹介していきます。
目次
動画編集で音量編成の調整を忘れちゃダメ
どんな動画編集ソフトを使用していても、必ず音量調整をする機能は備わっています。
例えば新しいスマートフォンが発売された時、新しい機能が追加されるのはもちろんですが、同時に不要となった機能はなくなっているものです。
つまり、音量調整をする機能が絶対に備わっているということは、言い換えれば動画編集作業において「絶対に必要である」ということになります。
動画編集を行っていると、音量調整をする前にテロップを表示するタイミングや場面に最適なBGM、効果音の追加に気を取られがちです。
一度動画編集をしたことがある方ならわかると思いますが、この作業がとても大変で、十分な動画を完成させるのに、何時間も、場合によっては何日も動画編集だけに時間が掛かってしまうことだってあります。
気持ちはとてもわかります。
けれどその動画編集で満足していては、大勢の人に見てもらえる動画にはなりません。
動画編集の最後のひと手間に、音量編成の調整を忘れないようにしましょう。
どんなに良い動画でも音量が小さすぎると離脱される
どれだけ動画編集にこだわって良い動画を作っても、音量編成の調整を誤って音量が小さすぎてしまうと、その動画は視聴者に離脱されてしまいます。
例えば普段動画を見ている時に、突然音量が小さくなって何を言っているか聞こえなくなると、変だなと思いますよね?
こういった音量の違和感に視聴者はとても敏感です。
「スマホのボリュームをそこだけ一つ上げれば良いだけじゃん」と思うかもしれません。
今の世の中、同じような内容の動画でありふれています。
仮に、似たようなコンテンツに興味のある視聴者が
- 動画の音量調整をしないと快適に見れない動画
- 何もしなくても快適に見れる動画
の二つがあった場合、どちらを選ぶでしょうか?
答えは、言わなくてもわかりますね?
動画編集が完了したあとに、最低限「きちんと聞き取れるか」という観点で動画の音量チェックをしてみてください。
音域によって聞こえ方が変わる
動画編集の際音量編成をする前に、まず音について少し知っておく必要があります。
少し専門的な話になるのですが、音は空気が振動した際に生じる波です。周波数(ヘルツ)という言葉で音の高さや低さを表現します。
人間の耳が聞き取れる可聴域は20ヘルツ~20キロヘルツと言われています。
一般に、
- 20~200ヘルツ程度を低音域
- 200ヘルツ~1キロヘルツを中音域
- 1キロヘルツ~20キロヘルツを高音域
とすることが多いです。
動画編集の際、音量編成をする上で重要になってくるポイントは「音域によって聞こえ方が変わる」ということです。
詳しく説明をすると話がややこしくなってしまうので割愛しますが、一般的に「低音域は聞き取りにくく、高音域は耳が痛くなる」という風に人間の耳は出来ています。
これは言い換えると、「低音域は音量が小さく聞こえ、高音域は音量が大きく聞こえる」ということになります。
この特性を考慮して動画編集と音量調整を行っていかなければなりません。
例えば、男女二人が話している内容の動画編集をする際、一般的に男性の方が声が低く、女性の方が声が高いことの方が多いはずです。
なので男性の声の音量を上げ、女性の声の音量を下げればバランス良く音量調整が可能です。
同様に、動画編集時に効果音を差し込む際、拍手や「ピッ」「ポン」という音は音が高いので音量を下げ、「ドドン」や「ズドーン」という低い効果音は音量を上げておけば、聞き取りにくい、聞こえないといった不具合を回避することが出来ます。
また、効果音やBGMを差し込むタイミングを動画編集時に少し変えるだけで聞き取りやすさが変わる可能性もあります。
これが音量編成の際のポイントです。
効果音やBGMは音声より大きく聞こえるので注意
動画編集の際の一番の落とし穴と言って良いものの一つとして、効果音やBGMの音量編成があります。
恐らく動画編集をする際、撮影した動画の声はカメラやマイクなどを通して録音したものを使用すると思うのですが、これはいわゆる「生音」と呼ばれるものです。
つまり、音量編集されていない状態の音声ということになります。
一方、動画編集をされる殆どの方がBGM、効果音は直撮りや作成という形ではなく、著作権フリーサイトのものを借用したり、専門サイトで購入されると思います。
こういった音声は、殆どの場合「音声編集がされています」
具体的にいうと
- ミックス・・・音をバランスよく聞き取りやすくしたりノイズをカットする
- マスタリング・・・音質、音量を向上させCDのような高品質のものにする
と呼ばれる作業を介しているはずです。
これはつまりどういうことかというと、「生音のものより聞きやすく、音量が大きく聞こえてしまう」ということになります。
なので、動画編集で音量編成をする際は効果音とBGMの音量を下げるか生音の音量を上げるようにしましょう。
また、中には趣味程度で効果音やBGMを制作されている方もいます。
その場合、音量調整をしているかは聞いただけで判断出来ない可能性があります。
その際は制作者に「ミックスやマスタリング作業はされていますか?」と質問してみてください。
もしかしたらダウンロード画面やサイト説明欄に音量編成について記載があるかもしれませんので、注意して見るようにしましょう。
回答のタイミングもあるかもしれませんので、動画編集を始める前に把握しておくのが理想的ですね。

殆どの場合、動画編集で使用する効果音やBGMの方が音質が良いのでクリアに聞こえてしまい、生音よりも大きく聞こえてしまいがちです。なので、動画編集後、音量編成をする際、「効果音やBGMの音量を下げる」という作業から音量調整をするのがおすすめです。
動画編集をしてから音の調整をしよう!
ここまでで、音量編成が動画編集に重要な必須要素であることは理解して頂けたかと思います。
しかし、だからといって動画編集をする前から音量調整をしてしまうのはよくありません。
音量編成作業は動画編集作業における「仕上げの作業」だからです。
だからこそ忘れてしまいがちになります。
しかしこれは例えるなら、家を建てようと大工に依頼し、完成しましたと連絡を受けいざ完成品を見に行くと、屋根や家の壁に色が塗られていない状態のものだったというのと同じです。
折角家を建てたのに、ちょっとガッカリですよね。
皆さんが作成する動画も、ガッカリされないよう、音量編成を動画編集の最後の仕上げとして、忘れずに調整するようにしましょう。
先に動画編集をしておかないと音量編集がおかしくなる
では、実際に動画編集を終える前から音量編集をすると何故いけないのかを説明します。
答えは単純で、まだ全ての動画編集が終わっていないうちから音量調整をしようとしていくと、最初と最後で音量調整が全く異なる動画になっている可能性があるからです。
動画編集を進めていくうちに、動画編集作業に没頭すればするほど、音量についての認識は薄れてしまいがちです。
実際に動画編集をしていけば、大抵10や20じゃ動画編集項目は足りません。100以上になることの方が殆どでしょう。
また、動画編集が完了した後、確認途中に追加で動画編集を加えたくなることもあるでしょう。
そういった追加の動画編集作業の際、動画内に
- 効果音やBGMを差し込む
- 修正を加える
などした際、音量調整を忘れてしまう可能性もあります。
一つ動画編集を行うと、それに付随して他の編集内容を変更しなければならなくなる可能性もあります。
その際、同じように音量編成を忘れずに動画編集作業を100パーセント進められるでしょうか。
「それでも、ある程度なら音量調整の基準は決められるのでは」と思うかもしれません。
しかし、その基準の音量が動画全体の基準値になるのかは、動画編集を終えるまでは結局のところ分かりません。
動画編集をする際挿入するBGMの音量が、動画全体でどの程度のものなのかは、動画編集完了時点で合わせてみないとわからないからです。
また、動画編集を進めていくうちに、音量調整の基準とした値を忘れてしまい、最終的にもう一度音量編成をしなければならなくなり、二度手間となります。
音量編成はあくまで動画編集作業における「仕上げの作業」です。
一度その話を聞いたら意識してしまうのは当然ですが、あくまで動画編集作業内の最後の工程です。
慌てずに、動画編集の最後にやりましょう。
動画全体を通してバランスよく音量編集をする
音量編成で重要になってくるのは、
- 音量の大小
- 聞き取りやすさ
- 全体の「音量バランス」
になります。
「音量調整をしないと快適に見れない動画」にならないようにするためには、大きすぎても、小さすぎてもいけません。
この絶妙なバランスに注意して、動画編集した内容ではなく、音に集中して動画編集を進める必要があります。
いきなり音量調整のバランスといわれても、難しいと感じるかもしれません。
ですが、実際はとても単純な作業です。
全ての動画編集が完了した時点で、まずはヘッドホンをして、
- マウスを動画停止ボタンに合わせておく
- キーボードの動画停止ボタンに手を置く
などをして目を閉じてください。
- その状態で話している音は聞き取れますか
- BGMは心地好く聞こえますか
- 効果音で耳が痛くなりませんか
違和感を感じたら、直ぐに動画を止めて、音量調整をしてください。
この音量編成方法を動画の最後までやったら、次はヘッドホンを外し、スピーカーで聞いて同じようにやってみましょう。
この時の音量設定は、それぞれ普段ご自身が動画を見る際の値で問題ありません。
ヘッドホン、スピーカーでそれぞれ音量調整作業を行ったら、今度はその音量調整が正しいか確認でもう一回、目を閉じて動画を聞いてみてください。
違和感がなければ、これで音量編成作業は終了です。
違和感があったら音量を調整し、もう一度最初から確認してください。
もしかしたら動画編集で取りこぼした編集ミスなども一緒に見つかるかもしれませんね。
そういった場合はもう一度動画編集作業に戻り、また最初から音量編成作業です。
作業は単純ですが、単純作業ほど人間は嫌います。
そんな時は動画を見て面白かったと言って貰えた時のことを想像して、手を抜かずやってみましょう。
音量編成をやってよかったと、必ず思えるはずです。
効果音やBGMは音声とのバランスを調整する
繰り返しの説明になりますが、音量編成の際、効果音やBGMとマイクで録音した「生音」では、音の聞き取りやすさや、そもそもが持っている音量に大きな差があります。
動画編集作業が完了した後、先ほどの音量編成作業を始める前に、差し込んだBGMや効果音の数が少ないことが分かっているのであれば、音量をある程度調整しておいても構いません。
また、音量編成作業中、BGMや効果音と生音のバランスと言われると、全てが均等に聞こえていればOKと勘違いしがちですが、そうではありません。
声が聞き取れても、BGMが目立っていては、それは適切な音量調整とはいえません。
BGMや効果音はあくまで脇役です。
主役を邪魔してはいけないですよね。

生音が7、BGM、効果音が1.5くらいが、適切な音量バランスになるはずです。音量編成の際はこれらのバランスを見失わないよう注意しましょう。
Windowsユーザーが使うべき音量編集ソフト3選
それでは、実際に音量編成をする際にオススメのソフトをご紹介していきます。
- BGM、効果音、音声を一度に取り込み、最終的に一つのファイルとして出力するもの
- 動画編集と合わせて音量編成も出来るもの
- BGM、効果音、音声それぞれ一つずつ取り込み、音量編成するもの
この3つがあります。
それぞれ得られる音量編成の効果に差はありませんが、作業のしやすさ、そのやり方でなければ出来ない音量編集の方法など特徴とメリットがありますので、ご紹介していきます。
ご自身の動画編集のやり方に合った音量編成ソフトを使用ください。
「Studio One Prime(free)」
こちらは本格的なDTMソフトのフリー版になります。
「BGM、効果音、音声を一度に取り込み、最終的に一つのファイルとして出力するもの」です。
音量編成ソフトとしての機能はもちろん、他のソフトには備わっていないチャンネルストリップという機能があり、慣れてしまえばノイズカットや音質の向上など、音質に特化した動画を作成したい方におすすめのソフトとなります。
またトラックを分けて作成出来るので、音声、BGM、効果音を別トラックに分けて挿入することで、それぞれに違った音量編成効果を持たせられるだけでなく、一つの音声の中の一部分だけ音量調整したい際も簡単に出来ます。
それぞれの音量編成を終えた後、全てのトラックをまとめて一つのファイルとして出力出来るので、動画編集完了後、動画エンコードの際、PCへの負荷を低減させられます。
注意点として、DTMソフトであるという性質上、音量編成ソフトとして使用する際に多少の慣れが必要であることが挙げられます。
また、動画編集と音量編成を完全に分離して考えなければならないので、動画編集時のイメージと実際の音声とで齟齬が生じる可能性があります。
初めのうちは説明書や使用方法などを調べながら音量編成に慣れていってください。
ダウンロード先URL
https://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/prime/
※会員登録をした後、ソフトをダウンロードし、ソフトをアクティベートする作業が必要です。
「aviutl」
こちらは「動画編集と合わせて音量編成も出来るもの」になります。
音量編成ソフトというよりは動画編集ソフトとしての側面が大きいのですが、音量調整の幅が広く、動画編集をしながら音量編成が出来るので、動画編集ソフトで迷っている、動画編集と音量編成を一つのソフトで行いたいという方におすすめです。
一度音量調整したものをコピーして貼り付けることが出来るので、何度も使用する効果音などの調整が一度で済むというのが大きなメリットです。
また、フェードイン、フェードアウトの調整も動画を見ながら細かく一つずつ行えるので、動画編集の際、音声差し込みのタイミングの調整に迷わないというのも大きな特徴です。
注意点として、ソフトの初期設定が他ソフトより複雑で、音量編成可能且つ動画編集終了後の動画エンコードを円滑に出来るようにするための設定も別で行う必要があります。
他2つのおすすめソフトと比べると動画編集に特化している部分もあるので、
- 特殊な効果を得る音量編成
- 一部分のみ音量調整を加える
といった細かな作業をする際、手数が掛かります。
有名なフリーソフトですので、まとめサイト記事を参照すれば時間は掛かりますが問題なく設定可能です。
ダウンロード先URL
http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
「Wave Pad」
こちらは「BGM、効果音、音声それぞれ一つずつ取り込み、音量編成するもの」です。
音量編成を行う際、変更を保存する前にテスト再生が出来るので誤って調整をしてしまう危険が少ないです。
また、取り込んだ音声全体にイコライザーや正規化を加えることで、音量の変化の幅を小さくすることが出来るというのも特徴です。
音量編成をしなければならない音声が少ない方、細かい音量編成作業が苦手な方におすすめです。
注意点として、一つずつしか音声を編集出来ないため、音量編成したものを動画編集ソフトに毎回取り込んで作業しなければならないので手数が多くなってしまいます。
効果音やBGM、音声合わせて100個以上を動画編集時に使用している方には少し辛い作業になってしまうかもしれません。
ダウンロード先URL
https://www.nch.com.au/wavepad/jp/index.html
Macユーザーは調整がしやすい?iMovieで音量編集する方法
ここまでご紹介した音量編集ソフトはすべてWindows向けです。
Macユーザーの方でも使用は可能ですが、実はMacユーザーの方には、別で音量編成しやすいおすすめのソフトがあります。
そもそもWindows向けの音量編成ソフトは処理が重くなりやすいものが多く、折角Macを使用しているのに同等のものを使用するのは損した気持ちになりますよね。
そこでおすすめなのが、iMovieという音量編成ソフトです。
こちらを使用することでMacユーザーの方は音量調整がとてもしやすくなりますので、ご紹介いたします。
iMovieでの音量編集方法
iMovieはカテゴリでいうと「動画編集と合わせて音量編成も出来るもの」になります。
動画を取り込み、音量波形表示をすることで、その動画全体でどこの音量が大きくてどこが小さいのか、一目で分かりやすいのが一番のメリットです。
そのまま効果音やBGM、テロップを差し込むといった動画編集をすることも出来ます。
また波形の上に表示された横線をドラッグして上下するだけで、直感的に音量調整が出来ます。
一部分のみを選択して音量調整も出来ますので、音量編成の際のクリック数が少なく、手間が掛からないというのが強みです。
Macユーザーの方は是非iMovieで動画編集と音量編成をしてみてください。
まとめ
音量編成は動画編集作業において、なくてはならない重要な要素です。
動画編集に熱中し過ぎて音量編成を忘れないように注意してください。
また、音量が小さい動画は離脱率が上がります。
音域によって聞きやすさが変わることを頭に入れて音量調整を行うようにしましょう。
効果音やBGMは生音の音声よりも音量が大きくなりがちなので注意して音量調整してください。
音量編成はあくまで動画編集の仕上げで、最後の作業です。
音量編成を途中でやっても
- 二度手間になる
- 基準の音量を見失いやすい
ので、必ず最後の動画編集作業として行いましょう。
動画編集、音量編成時のバランス感覚は全ての音が均等であれば良いというわけではなく、生音音声が7、BGM、効果音が1.5の割合で音量バランスを調整するようにしましょう。

以上のことを踏まえて、音量編成ソフトは、使用している動画編集方法や動画編集ソフトとの相性を考慮し、自分にあったソフトを使用してください。また、Macユーザーには直観的に動画編集と音量編成が出来るiMovieがおすすめです。
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